「議論後に議論前の結論に至ることにも価値がある
」で述べた普天間基地の移設問題は、方針が二転三転していることを迷走ととらえて問題視する意見が多いようです。前エントリでは、首相は迷走しているように見せかけるためにわざとやっているという説を述べました。どこにも角を立てずに対米従属から離脱するにはなかなか聡明な案だと思います。
このエントリでは、前エントリに寄せられた反応を見て、噛み合ってない認識のズレを分析して紹介しようと思います。ずれてるポイントは1)首相は馬鹿、2)普天間は大問題、3)迷走を世界が笑ってる、だと思います。
さらに馬鹿だからと言うのは説明としても成立していません。これを理由にするのは便利すぎるからです。例えば、
フランス人達にはそんな感覚でしょうが、僕にとっては重大な関心事です。太平洋に日本列島が浮かんでいなければ、宇宙がどれだけ大きかろうが、その中にどれだけの数の星があろうとも、全く関心が持てません。まさに、僕にとっては日本の問題は宇宙の大問題なのです。なので、世界の皆ががそう考えてると勘違いしがちですが、そう勘違いしては問題を取り違えます。
米軍は依然として圧倒的に世界最強です。米軍基地がどちらに数十キロ移動しようが、形勢にたいした変化はありません。日米が多少ぎくしゃくしようが、民主主義、市場経済システムを共有している国同士の信頼関係に大きな状況に変化はありません。米軍基地がどこになろうと世界情勢にとっては、ぶっちゃけ大した問題ではないのです。そして当事者のアメリカ自身も無関心でしょう。アメリカは外国のことには関心持ちませんし、真珠湾や貿易センタービルの攻撃みたいな、国民全員が奮い立つような理由が無い限り、アジアなんて特に関心外でしょう。アメリカはそういう国です。
英語のニュースをすぐに世界の人の標準的な声だと勘違いする人がいますが、英語のニュースだって日本語のニュースやフランス語のニュースと同じぐらいに、世界を色眼鏡で見ていることには変わりありません。下のビデオのようにアメリカ人はアメリカのニュースが偏っていることに意識的になっていますが、日本人はその色眼鏡に意識的になれていません。その結果、アメリカの意見が世界の意見のように見えてしまっているのです。下のビデオは「view subtitle」を押せば日本語の字幕が出せます。
相手側の当事者である米英以外のメディアで日本の判断を笑っているものはありますか?僕はフランス語が読めるのでちょっと見たところ、首相を馬鹿にしておちょくっているような記事は見当たりませんでした。
L'île japonaise de Toku mobilisée contre la venue des marines - LeMonde.fr
4月10日、日本の徳の島、海兵隊のに反対する招集
Nouvelle manifestation contre la base américaine d'Okinawa - LExpress.fr
4月25日、沖縄の米軍基地に対する新しいデモ
Japon: le Premier ministre Hatoyama renonce à déplacer une base américaine d'Okinawa | 24 heures
5月4日、日本:鳩山首相は沖縄米軍基地の撤収を諦める
Le Premier ministre japonais renonce à retirer une base américaine d'Okinawa - LExpress.fr
5月4日、日本の首相が沖縄の米軍基地の撤退を諦める
普通に考えれば、米軍基地が自国に存在する意味を自分で考えられて、その損得勘定を自分で分析出来る国のほうが賢いでしょう。いつまでも日本に従順でいて欲しいと考えている米英以外に、やっとまともな賢い国になれそうな状況を馬鹿にする国があるはずが無いのです。
」です。
対米従属から抜ける怖さと言うのは、自転車の補助輪を外す怖さみたいなものではないでしょうか。「支えておいてあげるから自転車をこいでごらん」と父親に言われて、こぎ始めたら父親が手を離したような怖さです。最初は怖いかも知れませんが、いつまでも補助輪に頼っていてはいけませんからね。練習するしかありません。これが前エントリで「四年間いろいろ考えてみればいい」と締めた理由です。聖徳太子は「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す」と国書して、中国と対等な関係を望み中国を怒らせ、華夷秩序からの離脱を果たしました。アメリカと対等な関係を望みアメリカを怒らせるのは怖いですか?父子のような特別な関係から普通の親友へ、徐々に慣れていかなければならないでしょう。
以下、関係するエントリを紹介します。
鳩山首相は馬鹿という結論の記事:
英語メディアの色眼鏡を間に受けている記事:
軍事的見地から見た記事:
「混乱」に理解を示す記事:
Read More ...
このエントリでは、前エントリに寄せられた反応を見て、噛み合ってない認識のズレを分析して紹介しようと思います。ずれてるポイントは1)首相は馬鹿、2)普天間は大問題、3)迷走を世界が笑ってる、だと思います。
鳩山首相は馬鹿
これが一番びっくりしたのですが、反対意見をいう人の殆どが、首相は馬鹿だと信じていることです。いつも冷静なブロガーなども、問題の結論として何故か首相は馬鹿だからという理論を持ってきています。僕はこれはどうしても信じられません。政治や外交のことなんて専門的にやった事が無い僕が、何十年も専門的に仕事をしてきたプロフェッショナルよりも、かしこい選択に辿りつけるなんて信じられません。さらに馬鹿だからと言うのは説明としても成立していません。これを理由にするのは便利すぎるからです。例えば、
- 日本人はなんで子供を生まないの? →馬鹿だから
- アメリカ人はなんで中東で人を殺してるの? →馬鹿だから
- フランス人はなんで五時に仕事終わるの? →馬鹿だから
- 欧州はなんでひとつの国にならないの? →馬鹿だから
- 中国人はなんで言論封殺を許容しているの? →馬鹿だから
- 韓国人はなんで竹島を自国領って言いはるの? →馬鹿だから
- 北朝鮮はなんで独裁政権が治めてるの? →馬鹿だから
- ニートはなんで引きこもるの? →馬鹿だから
- ...(略)...
普天間基地問題は宇宙の大問題
フランスから見ると日本は遠い国です。フランスはパリ以外は田舎って言われるぐらいにほとんどが人がいない土地です。世界最速を新幹線と競う弾丸列車TGVでも何時間も下の写真のような平野が延々と続きます。こんな広大な平地を東に抜けるとドイツがあります。その東には東欧諸国があります。その隣にはロシアがあって、いろいろ揉め事のある中東があります。その向こうにはインドがあって、さらにその向こう側には信じられないぐらいでっかい国、中国があります。そしてその先は海です。その海には寿司と漫画の国、小さな日本が浮かんでいて経済的に豊かで治安がいいらしい。これが一般的なフランス人の感覚です。米軍は依然として圧倒的に世界最強です。米軍基地がどちらに数十キロ移動しようが、形勢にたいした変化はありません。日米が多少ぎくしゃくしようが、民主主義、市場経済システムを共有している国同士の信頼関係に大きな状況に変化はありません。米軍基地がどこになろうと世界情勢にとっては、ぶっちゃけ大した問題ではないのです。そして当事者のアメリカ自身も無関心でしょう。アメリカは外国のことには関心持ちませんし、真珠湾や貿易センタービルの攻撃みたいな、国民全員が奮い立つような理由が無い限り、アジアなんて特に関心外でしょう。アメリカはそういう国です。
鳩山政権の迷走を世界が笑っている
鳩山政権の迷走を世界が笑っているように言っている人がいますが、これもほとんど間違いです。世界のニュースというと英語を翻訳して、世界を知った気になっていますが、米国、英国経由の情報なんて、まさに相手側の当事者の言い分を聞いているだけです。そりゃあ、自分たちが不利になるような判断に否定的に報道するに決まっています。米国メディアが鳩山首相のことをLoopy(Alc辞書)と呼んだそうですが、偉大な大国のおおらかさが感じられず、衰退する大国の焦りしか感じません。一言コメントするなら、「米国必死だなwww」ですね。英語のニュースをすぐに世界の人の標準的な声だと勘違いする人がいますが、英語のニュースだって日本語のニュースやフランス語のニュースと同じぐらいに、世界を色眼鏡で見ていることには変わりありません。下のビデオのようにアメリカ人はアメリカのニュースが偏っていることに意識的になっていますが、日本人はその色眼鏡に意識的になれていません。その結果、アメリカの意見が世界の意見のように見えてしまっているのです。下のビデオは「view subtitle」を押せば日本語の字幕が出せます。
相手側の当事者である米英以外のメディアで日本の判断を笑っているものはありますか?僕はフランス語が読めるのでちょっと見たところ、首相を馬鹿にしておちょくっているような記事は見当たりませんでした。
L'île japonaise de Toku mobilisée contre la venue des marines - LeMonde.fr
4月10日、日本の徳の島、海兵隊のに反対する招集
Nouvelle manifestation contre la base américaine d'Okinawa - LExpress.fr
4月25日、沖縄の米軍基地に対する新しいデモ
Japon: le Premier ministre Hatoyama renonce à déplacer une base américaine d'Okinawa | 24 heures
5月4日、日本:鳩山首相は沖縄米軍基地の撤収を諦める
Le Premier ministre japonais renonce à retirer une base américaine d'Okinawa - LExpress.fr
5月4日、日本の首相が沖縄の米軍基地の撤退を諦める
普通に考えれば、米軍基地が自国に存在する意味を自分で考えられて、その損得勘定を自分で分析出来る国のほうが賢いでしょう。いつまでも日本に従順でいて欲しいと考えている米英以外に、やっとまともな賢い国になれそうな状況を馬鹿にする国があるはずが無いのです。
まとめ
日本には米国の基地が必要だとする人から見るとこのエントリはどのように見えるでしょう。そんなにお得なモノなら置いてあげてもいいけど、どんな利益があるかは明らかにしてから置いて欲しいですね。やっぱり必要だっていうなら、必要なことがわかった進展です。まさに「議論後に議論前の結論に至ることにも価値がある対米従属から抜ける怖さと言うのは、自転車の補助輪を外す怖さみたいなものではないでしょうか。「支えておいてあげるから自転車をこいでごらん」と父親に言われて、こぎ始めたら父親が手を離したような怖さです。最初は怖いかも知れませんが、いつまでも補助輪に頼っていてはいけませんからね。練習するしかありません。これが前エントリで「四年間いろいろ考えてみればいい」と締めた理由です。聖徳太子は「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す」と国書して、中国と対等な関係を望み中国を怒らせ、華夷秩序からの離脱を果たしました。アメリカと対等な関係を望みアメリカを怒らせるのは怖いですか?父子のような特別な関係から普通の親友へ、徐々に慣れていかなければならないでしょう。
以下、関係するエントリを紹介します。
鳩山首相は馬鹿という結論の記事:
英語メディアの色眼鏡を間に受けている記事:
軍事的見地から見た記事:
「混乱」に理解を示す記事:
日本とフランスの,留学,研究,政治,経済,外交,歴史,文化について考える 






