| Santorini, Greece |
過去のエントリのコメントを見ると、移民反対の意見として、現状のように列島由来の日本人だけで日本を形作り、外国由来の日本人を極力排除した形の社会が最上のものだという意見がありました。僕は、列島由来の日本人と外国由来の日本人が調和し、他文化を許容しあって異端に寛容な日本は、現状よりもいいものだと思っているので、このエントリでは、もう一度良さを説明し、そうなるためには日本人がどのように変わらなければいけないのか考えます。
日本とフランスの,留学,研究,政治,経済,外交,歴史,文化について考える 




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Fraternité - Wikipédia人類はミトコンドリア・イブと呼ばれる共通の祖先を持っています。彼女の産んだ子どもたちは兄弟の間の情愛である友愛(Fraternité)を自然に持っていたでしょう。その次の世代も持っていたかも知れません。それから何世代もたった現在、人類は他者に対して自然に友愛を持つことはできなくなってしまいました。それどころか、自らに最も近い隣人に対して最も友愛から遠い関係を作ってしまいます。メロドラマ的な親族の争い、隣家との争い、隣町との争い、隣国との争いなどなど。この理由はハッキリしています。最も近い隣人とは、最も利害が対立するからです。自分と利害が対立する他者に対して、友愛なんて抱けないというのが根本的な問題です。
友愛とは各々が本当の兄弟に対するように他者に親愛の情を感じる社会的秩序と定義することができる。(略)友愛は、自然状態ではなく、文明のひとつの目標である。
« On peut essayer de définir la fraternité comme un ordre social, dans lequel chacun aimerait l'autre comme son propre frère. [...] La fraternité est un but de civilisation, pas un état de nature.»
友愛=他者に対する親愛の情現状の世界を覆う価値観で考える限り、達成する見込みのない概念だと言えるかも知れません。たかだか後50年ぐらいしか生きられない僕はおそらく、友愛が達成された世界を見ることはないと思われます。現状の世界を覆う価値観が完全にひっくり返る何かが起こらなければ、無理でしょう。核戦争で人類が15人になっちゃったとか、インターネットを越える通信技術で各人の感情が接続される世界が到来したとか...
連帯=手と手を取り合りあうこと(脅威を必要とする友愛)
調和=争いの無い状態(親愛の情のない友愛)
俺は純粋に社会システムで皆が幸せになる仕組みを考えている思考実験をしてるだけだ。堀江さんは、日本についても会社と同じように、信者に対して正しい結論を与え続けて、活動を加熱し続けていけば、変わると信じているかのようです。しかし実際はそうではありません。結論さえ正しければ説明なんて必要ないとばかりに、堀江さんが結論だけを信者に伝えている間に、世の中は不安になり、堀江さんの結論とする世界から遠ざかっているのです。もっとはっきり言えば、社会に害を及ぼしているのです。具体的には、上の二つの発言は、僕にはベーシック・インカムの実現も、移民の実現も遠ざけたように感じられます。
みんな適当にdisるコメントつけてるだけだ。特に意味はない。ポジショントークなど高等なことは考えてないぞ。...(略)...それだけの人間なんだよ。君も僕も。確かに堀江さんがブログで何をしようが自由です。でも堀江さんが学んだ国立東京大学は、国民の税金で運営されていて、日本最高峰の教授陣の給与も税金でまかなわれています。うちの家族・親戚は何世代も税金を払ってきたし、税金を払う日本人としてその頭脳に期待する権利はあります。なので最後に言わせてもらいます。
フランスで仕事が家族、余暇に次ぐ3番目の優先順位だからそういう感じが良いみたいに言っているが、ワーカホリックな私をはじめとした多くの人々に受け入れられるはずがない。そんなものを社会全体から強制されるなんぞまっぴらごめんである。こういうふうに言ってしまうと、能力のある堀江さんがその世界で上層に行けることを確信しているからこそできる発言だと思われてしまいます。つまり、ポジション・トークと受け取られてしまうのです。1)で提案したように、子供や孫の世界を想定して語ってみてください。堀江さんほど優秀ではないかも知れない、ワーカホリックではないかも知れない、まだ未知数の子供や孫にもその世界が素晴らしいと言えるでしょうか?
このブログの作者はちょっとフランスかぶれ?らしくフランス礼賛的ニュアンスがいちいち気になるヨーロッパやアメリカでブログを書いている人は、その国にかぶれていると受け取られないように細心の注意を払っています。そうしないとかぶれていると決めつけられてしまうからです。そういった意味では、根拠なく主観でブログの印象を植え付けられる上の文言は、相手の主張の妥当性を弱められる効果的な文言だと感心します。これまではできるだけ論理的に書くようにしていましたが、こちらからもひとつだけ、主観で根拠なく印象を語ることが許されると思いますので、一言だけ言わせてもらいます。
このブログの作者はちょっとフランスかぶれ?らしくフランス礼賛的ニュアンスがいちいち気になる反論のエントリは、議論とは何の関係もない、根拠のない主観の先入観の植え付けから、文章がスタートしているのが残念ですね。そんなことをすれば、堀江さんを尊敬している読者は、どんなフランスかぶれしたやつが、どんな気持ち悪いことを書いているんだろうと言う先入観を持ってこのブログを見に来ることでしょう。より良い日本の社会を考えるために議論するのに、有害でしかない先入観の植え付けが有効だと分かれば、この先も堀江さんは弱小ブログに先入観を植え付けるために、この卑怯な手法を利用し続けるかも知れません。反撃のためにも同じぐらいナンセンスな根拠のない主観の例を挙げないといけませんね。なにか議論に全く関係ない卑怯でナンセンスな文言はないかな...wikipediaを調べて、っと、よし、これだ!
Constitution de la République française
(フランス共和国憲法 前文第一条)
La France est une République indivisible, laïque, démocratique et sociale. Elle assure l’égalité devant la loi de tous les citoyens sans distinction d’origine, de race ou de religion.
フランスは、非宗教的、民主的、社会的な、分割し得ない共和国である。フランスは、生まれ、人種、宗教の区別なしに、すべての市民に対して法の下での平等を保障する。
パリ郊外の暴動のこと - パリからはてな日記また、批判精神の旺盛な(悪口の得意な)フランス人のこと、いろいろな言われようです。人工知能学会誌に投稿された「理科系の国フランス : INRIA滞在記(グローバル・アイ)」では以下のようにあります。
グランゼコール出身じゃない人は、グランゼコールと聞いただけで、一様に、ガリ勉で偉そうでプライドが高くてと批判する。
フランス人はおしなべて口が悪いので, たいていの場合「プレパが終わると勉強なんてしやしない」だとか,「将来マネージャになるのにマネジメントの勉強がなくて数学ばかりしている」だとか,卒業生までが一緒になって(自嘲も含めて)批判の大合唱となり,なかなか旗色が悪い.いろいろな批判の中でも、一番大きな批判は、はやりエリートと庶民の格差に対する批判でしょう。エリートの養成に教育資源(予算、先生)をつぎ込めば、それ以外の教育の質が低下するのは、明白です。フランス人による記事「報道されないフランスの真実(1)」では以下のように書かれています。
フランスにおける教育制度の現状は ...(略)... 徹底的に競争主義を採用しているグランゼコール(高等専門教育機関)という<勝ち組>と、ボロい施設ばかりの(特に文系)大学という<負け組>という図式からなっています。また、報道されないフランスの真実(2)では、フランス憲法の標語は嘘っぱちとすら述べられています。
少し大げさだが、15歳からちゃんと勉強しないと、負け組になるということである。こうした教育の実情を知れば、フランスの標語である「自由、平等、友愛」など大嘘であるようにしか思えない。2007年のフランス大統領選挙で非グランゼコール出身のサルコジ氏が、グランゼコール出身のロワイヤル氏を破った事例も、この文脈の中で説明されるケースも有ります。
同じようなことは、ニコニコ動画や2ちゃんねるの「才能の無駄使い」を見ていても感じます。右の図は「みんながもってるエロ画像でこれ再現できないかな?? あんか〜びっぷ」から持ってきたのですが、「これで面白いもの出来ないかな」と発想して、報酬も手柄も無いのにただ面白いと言うだけで、皆でよってたかって、すごく面白いものが出来ることに感動します。
次の写真は説明不要の有名な画像で「歴史的な画像を貼ってゆくスレ 無題のドキュメント」から取ってきました。第二次世界大戦が終わったときの歴史的な写真です。戦勝国のフランスでも学校の社会の時間などで、よく見せられる写真なのではないでしょうか。戦争の忌まわしい記憶と終戦の喜びが混じった空気が流れることと思います。しかし、2ちゃんねるでは誰かがこの写真を見て、数秒後に「左の人がブラジャーかぶっているようにしか見えない」と言います。これを授業中に指摘すれば、間違いなくクラスの人気者になれると思いますw。[書評] 日本とフランス 二つの民主主義このときは1が月半ぐらい続き、車はたくさん燃えたらしいのですが、人への攻撃はなかったそうです(老人が群衆に巻き込まれてなくなったそうですが)。事件が移民政策の現状を表しているのは確かなので、社会学者は詳細に分析するでしょうが、多くの一般人には大したことじゃないというのが、感想だと思います。
実際、危険も恐怖も何もなかった。私自身はごく普通に過ごしていたし、当のフランス人たちもまた、少なくともそのほとんどは、ごく普通に生活していたと思われる。しかし、日本の家族や友人からの電話やメールに、私は大いに驚かされた。日本での報道を見た人々は、フランス全土がまるで混迷するイラク顔負けの内戦状態にでも陥っているかのような印象を受けたらしいのだ。(p. 180)
[書評] フランス三昧植民地との文化の混ざり合いなど、異文化交流には日本の状況では考えられないほどの量と期間が費やされています。フランス、あるいは多くの欧州では、ある日突然、生まれも育ちも考え方も違う隣人が来るという場面が繰り返されてきたのです。こういった交流の中から醸成された他文化と共生する空気は移民に心地良い物だと考えられます。
フランスはヨーロッパで、いやおそらくは世界で唯一の、この一〇〇年以来人口の五分の四が言語を変えた国である。(P.163)
人生は早めに諦めよう! - Chikirinの日記確かにフランスは18歳で上位のグランゼコールに入学すると将来のリーダー候補になり、それ以外の人は、お気楽な人生を歩むことになります。つまり、このシステムは18歳以降の順位を固定し、大器晩成を否定するシステムです。このようなシステムが日本でも受け入られるとは思いませんが、希望を持って上位を目指せる環境が全員を辛くしているというのは、あるような気がします。
しかし一定の年齢で、たとえばイギリスやフランスに生まれていれば小学校の終わりくらいで、「自分にはオックスブリッジやグランゼコールにいって、エリートキャリアを手に入れて、高給が約束された職業を得るのは無理だ」とわかる。