Paris, France
6月に始めたTwitterですが、始めて2ヶ月ぐらいたまに書き込むぐらいでしたが、8月に入って急に使う機会が増えてきました。最初はブラックホールにつぶやいているみたいな感じでしたが、反応が返ってきた時に面白さに目覚めたような気がします。ちなみにSophie525という名前でつぶやいています。

ここ数日、2009年衆議院議員総選挙や、はてなブックマークへの返信などをTwitterに書き込んでいました。Twitterを使っていない人もいることや、Twitterでは後で自分で見返すことも無いと思うので、ブログでもまとめておこうと思います。ブログにまとめるにあたっては、TwilogというTwitterの発言をブログのようにまとめることのできるサイトを利用しています。こんな感じになります→http://twilog.org/Sophie525

2009年衆議院議員総選挙

2009年衆議院議員総選挙は、Twitterを使うことで、会ったことの無い人たちの言葉を聞いたり、会話したりできました。開票が始まる日本時間20時はフランスでは13時でした。NHK 2009 衆院選のページを見ながら、livedoor ニュース - ただ今放送中!インターネットラジオ特別番組「民意にマジレス 〜ネット論客が新政権にもの申す!〜」のラジオをiTunesで聞きながら、Twitterでいろいろな人の発言を見て、つぶやき返していました。以下つぶやきです。

「This time, they should take a gamble. 今回ばかりは、ギャンブル、やってみ。」だってさ... RT: フィナンシャルタイムズ曰く、こりゃギャンブル : 極東ブログ http://bit.ly/ixnuF

posted at 18:23:03

日本人について「変えるのは好きだが、変え方を変えるのはいや、といったところだろうか。」そうかも。RT 404 Blog Not Found:世界は誰が変えるのか http://bit.ly/12Q2qE

posted at 17:41:43

RT @kthyk: nice! 違反にはならないから丸三つ。RT @JinJin_jp候補者が「当選なう」とかtweetしたら面白いな。

posted at 19:50:59

www 残念ですけど好感が持てますね。 RT @kiyancan: @Sophie525 「落選なう…」も見たいですね……

posted at 20:06:10

フランスは今、日曜日の13時。今日は出かけようと思ったけど、Twitterのお祭りを眺めていた方が面白そうだ。PCから離れられなさそう。

posted at 20:08:02

RT @Mersol: RT @chroju: RT @seiji_ohsaka: 当選確実なう

posted at 20:10:30

ありそう...RT @kiyancan: ここまで来たら「落選なう……しかし比例で復活当選なう!」も見たい。RT @Sophie525: www 残念ですけど好感が持てますね。 RT @kiyancan: @Sophie525 「落選なう…」も見たいですね……

posted at 21:06:15

「政治家は常に炎上中みたいなもの」だって #tokuban 404 Blog Not Found:#senkyo2009 - お報せ - 民意にマジレス 〜ネット論客が新政権にもの申す!〜 http://bit.ly/JTRwX

posted at 21:18:39

「優秀な人を必要とするシステムはシステムとしてクソです」だって。フランスやばい。 #tokuban 404 Blog Not Found:#senkyo2009 - お報せ - 民意にマジレス 〜ネット論客が新政権にもの申す!〜 http://bit.ly/JTRwX

posted at 21:28:05

やばいシナリオですね。フランスではコアビタション(大統領と議会のねじれ)が無くなるようにシステムの方を作り替えましたが。RT @heis101: w RT @igaki: 来年の参院選では自民党が過半数とって、またねじれ国会になります。

posted at 21:32:23

やっぱりコアビタションは良くなかったんだと思います。大胆な戦略を取りにくくなりますよね。コアビタションの解消は大統領と議員の任期をほぼ同一にすることによってなされました。

posted at 21:34:13

民主党半数越え。NHK 2009 衆院選 http://bit.ly/uKE2L

posted at 21:55:42

鳩山由紀夫が選挙について有権者に感謝 Yukio Hatoyama remercie les électeurs pour leur soutien : Aujourd'hui le Japon http://bit.ly/16FmNq

posted at 22:32:04

日本が変われるために民主党政権の誕生 Ce que l'arrivée au pouvoir du Parti Démocrate du Japon pourrait changer http://bit.ly/o21xU

posted at 22:33:33

日本の政権で歴史的な変化 Changement historique au pouvoir au Japon http://bit.ly/hTalV

posted at 22:34:20

RT @h_hiro: 逢坂さんTwitterに染まってますなあ…フォローしよう // RT @popona: 政治家が当確をついったーで書いたってだけで注目度が高いのに、「なう」をつけたら濃いついったったーが見逃すはずもないだろう。計算されつくしている [家]

posted at 22:36:54

フランスのルモンド紙のトップページも日本の話題。珍しいな。日本野党の歴史的勝利 Victoire historique de l'opposition japonaise http://bit.ly/1gxY9J

posted at 22:41:55

ルポワン紙もトップは日本の話題。野党が歴史的勝利を得る L'opposition remporte une victoire historique http://bit.ly/14vyAK

posted at 22:43:15

フィガロ紙も日本の選挙の話題。ルモンド紙とほとんど同じタイトルだ。日本の野党の歴史的勝利。Le Figaro - International : Victoire historique de l'opposition au Japon http://bit.ly/355SW

posted at 22:45:14

これは、意外とそう思うな〜。自民党が野党に転落して、自由に振る舞えるようになったら頼りになるかも知れん。RT @m_yanagisawa: 自民=しっかりした野党ww #tokuban

posted at 22:51:23

www なるほど!RT @hiroponea: これでホントの“自由”民主党 RT: @Sophie525これは、意外とそう思うな〜。自民党が野党に転落して、自由に振る舞えるようになったら頼りになるかも知れん。

posted at 22:56:02

RT @happy_bear: これこそ「確かな野党」ですね。 RT @Sophie525 これは、意外とそう思うな〜。自民党が野党に転落して、自由に振る舞えるようになったら頼りになるかも知れん。RT @m_yanagisawa: 自民=しっかりした野党ww #tokuban

posted at 23:00:25

#tokuban 終わった。面白かった。だいたい同意。中国に関してはちょっと見方が違ったけど。「中国との競争で日本がやばい」っていうのが「中国が大国化して日本もおいしい」っていうようなルールに変わらないかな。もっとブログに書いていこう http://bit.ly/18XqmR

posted at 23:04:12

いらない議員が大量に居なくなってるから身軽になるかもね RT @_CLAD: 下野した自民が結束を保てるかどうか。勝ちすぎ民主もですが。政界ガラガラぽん希望で。RT @A_E_Z: なるほどねぇ。 RT @Sophie525: RT @m_yanagisawa: #tokuban

posted at 23:05:19
「違うのだよ麻生さん。ネトウヨは数が多いのではない。クリックの頻度が高いだけだ。つまりただのパラノイアだ。匿名のパラノイア。そんな支持を真に受けたのがたぶんあなたの失敗だった。 」RT: 踊る阿呆の「祭り」のあとに:日経ビジネスオンライン http://bit.ly/wDSRb

posted at 06:40:31




はてなブックマークへの返信

日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない このエントリーを含むはてなブックマーク 」では多くのはてなブックマークをもらったので、Twitterで返信してみました。はてなブックマークの100文字コメントとTwitterの140字のつぶやきは相性が良さそうですが、リンクするようなサービスは無いんでしょうかね。とりあえず、はてなブックマークのコメントにTwitterで返信する実験をしてみました。以下つぶやきです。

はてブには返答できないので、はてブに対する返答をtwitterでする実験をしてみよう。はてなブックマーク - フランスの日々: 日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない http://bit.ly/1ThOkI

posted at 04:41:49

そういう回答もあり得る気がしますね。世界で勝つ必要があるのかどうかというところから議論する必要もありそうです hatena:国内で内需があるから世界で勝たなくてもいいんじゃない?て思う私は負け組でしょうか

posted at 04:43:32

フランスはフランス技術の独自色は消す方向で戦略を立てている気がします。EUとかを前面に出して、EUで主導権を取っていくような。そのためにも英語を活用してます。hatena: 世界で最も英語が嫌いな国に住んでいながら、こういうことが書けるのは、すごいなぁと思います。

posted at 04:45:11

ネットワーク産業と自動車産業は標準化の持つ意味合いが全く違いますからね。でもITSではネットワークでも負ければ、自動車でも負けます。と言いたかったんでした。hatena:自動車産業の成功が目に入っていない様子。

posted at 04:46:44

www 英語で書いたらもっと読んでくれますか... hatena:この文も英語で書けよ

posted at 04:47:49

これは面白いですね。カリフォルニアロール的アレンジにしても、最初から戦略に入れておくためには、列島地図と日本語は障害にしかならなそうですね。hatena: ガラパゴス技術の世界展開には「カリフォルニアロール」的なアレンジが必要だと思う。

posted at 04:49:26

言語をツールとしてみるなら仕様書が英語なのが一番便利でしょうね。僕は英語しか無い世界には住みたくないですが。お二人の意見は聞いてみたいですね。hatena:おお、ここにきてまさかの水村美苗展開! むしろ日本語を滅ぼせ的な。もっちーやダンコーガイの意見も聞きたい

posted at 04:51:45

文脈が読みにくいかも知れないのでもう一度 RT: はてブには返答できないので、はてブに対する返答をtwitterでする実験をしてみよう。はてなブックマーク - フランスの日々: 日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない http://bit.ly/1ThOkI

posted at 04:53:02
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Paris, France
日本の失敗産業と成功産業は間もなく融合する(通信と自動車)」で述べた自動車ネットワークの分野で日本が、通信産業に引き続き無惨に敗北することの無いように、考えていこうと思います。人々が使いこなす技術が世界より先に進んでいる日本も、このままでは世界で負けると断言できます。その理由を以下に見ていこうと思います。

まず、通信産業の敗因は「ガラパゴス化」と名付けられて、技術水準の高い日本発の技術が世界標準で敗北するメカニズムは以下に述べられています。
未来ナビ「ガラパゴス化」する日本
  1. 高度なニーズに基づいた製品・サービスの市場が日本国内に存在する
  2. 一方、海外では、日本国内とは異なる品質や機能要求水準の低い市場が存在する
  3. 日本国内の市場が高い要求に基づいた独自の進化をとげている間に、海外では要求水準の低いレベルで事実上の標準的な仕様が決まり、拡大発展していく
  4. 気がついた時には、日本は世界の動き(世界標準)から大きく取り残されている
標準化組織については、こちらにまとめました→「高度交通システム(ITS)技術のための標準化組織」。

世界に先駆けて市場が拡大する日本の利点

4つに分けられた世界市場で日本の技術が負ける過程ですが、最初の2つは日本の利点とも言えるものです。日本市場は、世界に先駆けて先進技術が導入される土壌があるのです。企業は世界に先駆けて新技術の普及によるノウハウを蓄積できます。さらに日本人は海外の人たちより新技術に対する好奇心が高い点も利点です。

例えば、デジタルカメラや写真メールは日本人が最初に関心を持った技術でした。デジタルカメラはアナログのカメラより画像が荒いと言われる頃にも、その場で写真を確認できるデジカメの利点に興味を持ったわずかな日本人がいたために、生産者はその利益によって開発投資を続けることが出来ました。継続的な投資によって性能が上がったデジタルカメラは世界でも成功しました。フランスは新しいタイプのカメラが古いカメラより画質が荒ければ、誰も買いません。誰もが性能が上がるまで待つはずです。ケータイのカメラも登場した頃はモザイクかと思うほどに画質が荒かったのに、新しいコンセプトに好奇心を持った日本人が買い始めたことによって、開発投資のサイクルが回ったことが普及の要因に挙げられると思います。現在ではフランスのケータイにすらカメラが付いていますが、初期の性能ではフランスの人は誰も買わなかったと思われます。

同じことが高度交通システム(ITS)にも言えます。日本では普及が始まったカーナビも、フランスではほとんど見かけません。日本でカーナビを売っている会社は、フランスでは性能を落とした何世代か前のものを売っているそうです。ユーザが好奇心を持たず、高度化した機能を使いたがらないからでしょう。人々が使いこなす技術が進んでいる日本が世界でなぜ負けるのでしょうか?

外国人は日本の技術が嫌いと知るべし

「嫌い」というのは外国人が日本の技術を憎悪しているという意味ではありません。世界の人は(もし仮に日本の技術に感心したとしても)、日本の技術が嫌いだというように見える行動をとる理由があると言うことです。これには3つの理由があります。

まず、世界の人々は、「世界に最初にビジネスが立ち上がった日本に世界のビジネスのおいしいところを取られたくない」と考えます。これが日本の技術を世界標準技術にしたくないというモチベーションになります。

2つ目の理由は、途上国への応用についてです。米国、欧州は研究者や学生として、途上国からの頭脳を大量に吸い上げています。その研究者たちが自国に帰ったときに導入したい技術は、彼らの慣れ親しんだ米国や、欧州の技術なのです。途上国から欧米へ留学に来た彼らにとっては、日本発の技術が世界で勝利するのは望ましくないことなのです。よって自国に導入する技術は日本の技術にはなりえません。

最後の理由は外国人は日本語のドキュメントを読めないということです。2年ほど前、世界で最も普及しているOSであるTRONをフランス人技術者と話していたときに、こんなことがありました。彼は、TRONを自分のシステムに使おうと思っていたけども、日本語が読めなくて断念したと言っていました。TRONは仕様が世界に公開されたOSなのでそんなことは有り得ないのですが、Webを検索したところ大量の日本語のページがヒットして諦めてしまったのかもしれません。

ちなみにフランス語では「全く意味不明であること」をChinois(中国語)と言ったりします。「C'est Chinois pour moiIt's Chinese for meそれは私には中国語です」は「意味不明です」を意味しています。フランス人にとってスクリーンに出力される中国語は、日本人が文字化けのページを見るような感覚です。当然、フランス人が日本語を見たときの反応も同じようなものでしょう。そんなページが検索に大量にヒットすれば、意味不明な技術というイメージが付くのは避けられません。

次の新技術でもその技術について日本語のページが大量にヒットすれば、日本に有利な技術というイメージは避けがたく、日本の排他的なシステムと取られかねません。当然、世界の人はそんな技術は採用したくないでしょう。以上の3つの理由が外国人が日本発の技術を嫌う理由です。

列島地図を捨て地球大の戦略を、日本語を捨て英語の仕様書を

以上のことを考えると、[2]プローブ情報ネットワーク:日経ビジネスオンラインにある図は非常に良く分かるように書かれている反面、世界で負けることが運命づけられている非常に残念な図です。現場の技術者や決定を下すリーダーの頭の中にこの図がある間は、上に挙げた3つの理由に阻まれて世界では絶対に勝てません。


この図の通りに技術を発想し開発して、首尾よく国内他社に対して技術的主導権を得たとしても、世界に打って出る時には、すでに包囲網が敷かれてしまいます。国内での競争に勝利した後に、海外に打って出ると言う発想自体が、敗北の第一歩と言えます。これからは、戦略を立案する際に、国内市場とともに世界展開でのヴィジョンを示さなければなりません。例えば、欧米の標準と足取りを合わせることや、アジアの国々をまとめて日本発の技術と言った色を消したりする必要があるかもしれません(列島地図を捨て世界大の戦略を)。

また、図に書かれている日本語は英語に改められなければなりません。理由は単純で、世界の人々は日本語を読めないからです。欧米の標準と足取りを合わせたり、アジアの国々をまとめたりするならば、仕様書は英語である必要があります。本気で世界に飛び出すつもりならば、国内市場だけで使われている技術で、日本人技術者同士で仕様書のやり取りをする場合にも、最初から仕様書を英語にするぐらいの徹底ぶりが必要だと思います(日本語を捨てて英語の仕様書を)。
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Paris, France
日本の失敗産業と成功産業は間もなく融合する(通信と自動車)」で述べた自動車ネットワークという、新しいビジネスを解説しました。この分野での欧州における研究プロジェクトを「高度交通システム(ITS)研究のための欧州プロジェクト」でまとめました。このエントリでは標準化組織を紹介していこうと思います。

技術が優れる日本が世界で勝てない理由としてもこの「標準化」というのが挙げられています。
日本の携帯電話メーカーは本当に世界で通用しないか[2] ビジネス-夏野剛のネオ・ジャパネスク論:IT-PLUS

そして最後に政治力も重要である。通信の世界では「標準化」という作業がきわめて重要である。...(略)... これを民主主義的なプロセスで決めていくので、そのプロセスはきわめて政治的になる。海外メーカーは大きな予算と人員を割いて標準化のプロセスに積極的に関わっている。...(略)... 標準化会議中は、議長も投票で選ばれるし、毎晩のようにパーティーや個別会合が開かれ、さながらワシントンの外交ロビイング活動のようである。
なかなか、感覚が掴みにくいと思うので、自動車ネットワークの分野ではどのような場で標準化が行われるか、代表的なものを見ていこうと思います。メーリングリストでの議論で仕様が決まる組織や、一国一票制で仕様が決まる組織などいろいろあります。一国一票制度は、EU27ヶ国に有利なルールなような気もしますが、そう決まっているからにはそれのルールでやるしかありません。

今回は、IETF、ISO、IEEE、ETSI、CEN、SAE、ITU、IECを紹介します。

Internet Engineering Task Force (IETF)

The Internet Engineering Task Force (wikipedia)
The Internet Engineering Task Force (インターネット技術タスクフォース、IETF) はインターネットで利用される技術の標準化を策定する組織である。

極めてオープンな組織で、実際の作業を行っている作業部会(Working group; WG)のメーリングリストに参加することで、誰でも議論に参加することが可能となっている。

通常はメーリングリスト上で議論が進むが、年に3回(2回はアメリカ国内、1回はそれ以外の国)に会議が開催される。この会議も参加費を払うことでだれでも参加が可能である。日本国内では2002年に横浜(パシフィコ横浜)にて会議が開かれたことがある。
ちなみに、次回の76回IETFは、2009年11月8日から13日まで、広島で開催されます。自動車ネットワークに関係するワーキンググループはモバイル系と複数接続性とその他に分けられます。

モバイル系
  • mext Mobility EXTensions for IPv6
  • mip4 Mobility for IPv4
  • mipshop Mobility for IP: Performance, Signaling and Handoff Optimization
  • netlmm Network-based Localized Mobility Management
  • manet Mobile Ad-hoc Networks
  • autoconf Ad-Hoc Network Autoconfiguration
複数接続性/マルチホーミング
  • mif Multiple Interfaces
  • shim6 Site Multihoming by IPv6 Intermediation
その他
  • 16ng IP over IEEE 802.16 Networks
  • dna Detecting Network Attachment
  • hip Host Identity Protocol

国際標準化機構 ISO

国際標準化機構 (Wikipedia)
国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう、International Organization for Standardization)、または略称 ISO(アイソ、アイエスオー、イソ)は、電気分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定するための民間の非政府組織。本部はスイスのジュネーヴ。スイス民法による非営利法人。公用語はフランス語、英語、ロシア語。各国1機関が参加できる。
ISOは主要な産業分野の標準化を、「技術委員会(Technical Committee)」の下で行う (wikipedia)」とあり、高度道路交通システム(ITS, Intelligent transport systems)は204番の技術委員会(ISO TC204)で標準化が行われます。

CALM (Communications Architecture for Land Mobile environment)
特に、自動車ネットワークの標準化は、ISO TC204 WG16( 通称CALM)で標準化が行われています。



IEEE

IEEE (The Institute of Electrical and Electronics Engineers)

IEEE(アイトリプルイー、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)は、アメリカ合衆国に本部を持つ電気・電子技術の学会である。

対象とする分野は電気工学を源流とする通信・電子・情報工学とその関連分野に及ぶ。専門分野ごとに39のSocietyと称する分科会を持ち、それぞれに会誌(論文誌)を発行している。他に主な活動として標準化活動(規格の制定)を行っている。また、この学会が定めた規格の名称はIEEEで始まる。
通称Mobile MiMAXよばれる通信技術の仕様は、IEEE 802.16eとしてIEEEで策定されています。Mobile WiMAXは主な応用例として、自動車ネットワークへの適応も想定されています。


欧州電気通信標準化機構 (ETSI)

欧州電気通信標準化機構 (wikipedia)
欧州電気通信標準化機構 (European Telecommunications Standards Institute, ETSI;エッツィ) はヨーロッパの電気通信の全般にかかわる標準化組織である。

欧州電気通信標準化機構は、ヨーロッパにおける(通信機器ベンダーやネットワーク事業者など)電気通信産業に関する独立非営利の標準化機関であり、世界的な影響力を持っている。ETSIは携帯電話システムGSMや、公共保安用デジタル移動通信システムTETRAの標準化で成功を収めている。ETSIの標準化組織は、(固定ネットワークとインターネットとの一元化のための)TISPANなど数多くの組織を含んでいる。ETSIは3GPPの設立にも関与し、パートナーとなっている。


欧州標準化委員会 (CEN)

欧州標準化委員会
欧州標準化委員会(仏: Comité Européen de Normalisation、CEN)は、一貫した標準規格と仕様の開発・保守・配布を行うための効率的基盤を提供することによって、国際社会におけるヨーロッパ経済の力を強め、ヨーロッパの市民の福祉や環境を高めることを目的とした私的な非営利組織である。

1961年、創設。13カ国のメンバーが共同で様々な分野の欧州規格(European Standard、EN)を策定し、製品やサービスについてのヨーロッパ共同市場を構築し、世界経済におけるヨーロッパの地位向上を図っている。一部の規格は自発的なものだが、EUの法律の定めに従って策定されている義務的規格もある。


Society of Automotive Engineers (SAE)

SAE(Society of Automotive Engineers)

SAEは、モビリティ専門家を会員とする米国の非営利的団体。SAEとはSociety of Automotive Engineers(ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ)のイニシャル。2006年現在、約9万人の会員を有し、1)自動車関連及び航空宇宙関連の標準規格の開発、2)専門家会議の開催、3)動力機器に関する書籍・雑誌の出版、4)数学・科学・エンジニアリングの発展を促す教育的活動、等をおこなっている。

正式名称はSociety of Automotive Engineers, Inc. (ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ・インク)。「Society of Automotive Engineers」と「SAE」は登録商標であるが、現在、「SAE International(SAEインターナショナル)」を前面に出している。



国際電気通信連合 (ITU)

国際電気通信連合(ITU)は国際連合の専門機関の一つである。無線通信と電気通信分野において各国間の標準化と規制を確立することを目的としている。そもそもは、1865年5月17日にフランスのパリで設立された万国電信連合に端を発しているため、ITUは世界最古の国際機関とみなされている。

主な業務は標準化、無線周波数帯の割当て、国際電話を行うために各国間の接続を調整すること(郵便の分野で万国郵便連合の果たしている役割を、電気通信の分野において担っている)などであり、無線通信部門 (ITU-R)、電気通信標準化部門 (ITU-T)、電気通信開発部門 (ITU-D) と事務総局からなる。本部はスイスのジュネーヴ。

日本は、1959年から理事国としてITUの管理・運営に参加している。



国際電気標準会議 (IEC)

国際電気標準会議

国際電気標準会議(IEC、International Electrotechnical Commission)は、電気工学、電子工学、および関連した技術を扱う国際的な標準化団体である。その標準の一部は国際標準化機構(ISO)と共同で開発されている。

IEC創立総会は1906年6月26日に開催された。そのきっかけとなったのは、1900年に開始されたパリ国際電気大会議 (Paris International Electrical Congress) である。その後、英国電気学会(IEE)と米国電気電子学会(IEEE, 当時は米国電気学会)などが中心となって話し合いが続いていた。この流れの中心的役割を果たしたのが E.R.B.クロンプトン大佐である。現在では130ヶ国以上が参加している。このうち65カ国が正式会員で、他の69カ国は Affiliate Country Programme(加盟国プログラム)と呼ばれ、正会員ではないがIECに参加して自国の工業化推進の補助となるよう考えられている。当初はロンドンに本部があったが、1948年にジュネーヴに移転した。

IEC憲章で規定された標準化範囲は、あらゆる電気/電子工学技術に及ぶ。具体的には、発電と送電、エレクトロニクス、磁気学と電磁気学、電気音響学、マルチメディア、遠隔通信である。また、これらに関連する分野として、用語と記号、電磁気的互換性、測定と性能、信頼性、設計と開発、安全性と環境への配慮などが対象となる。

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Provins, France
日本の失敗産業と成功産業は間もなく融合する(通信と自動車)」では、「欧州、米国、日本、三つ巴の戦いがはじまる」と書きましたが、最初に欧州の状況について解説しようと思います。

以下に、プロジェクトのロゴ、パートナーの国籍数、組織の数、期間、予算、概要を表にしたものを作成しました。最初の3つは現在活動中の大規模のプロジェ クトを並べましたが、それ以外の順番に特に意味はありません。当然プロジェクトの予算がそのまま成果の大きさとなるわけではありませんが、プロジェクト規 模を把握するために乗せておきました。

2009年8月20日現在、1ユーロ=133円なので、以下の表にある予算の1M (million)は1.3億円ぐらいとなります。このレートで計算すると一番予算の大きいPreventというプロジェクトが72億円ちょっとになります。72億と言えば大金のように感じられますが、共に巨大産業である自動車産業と通信産業の境界領域のビジネスが本格的にまわり出したら、微々たる金額と言えるかもしれません。それでも、プロジェクトに携わる国籍の違う研究者と技術者が知恵を出し合い、同じ夢を見ることの意味は大きいと思われます。

欧州のITS関連28プロジェクト(更新:2009年8月21日)

全てのEUプロジェクト概要は、「European Commission : CORDIS 」でプロジェクト名を検索すれば出てきます。調べた感じでは隣接分野の研究プロジェクトを合わせれば、これの倍以上ありそうな感じでした。順次アップデートするかもしれません。

プロジェクトパートナー期間予算概要

12ヶ国、61の組織2006年2月ー2010年2月41.0 MCVIS (Cooperative Vehicle-Infrastructure Systems)は自動車通信のための設計、開発、テストをする欧州プロジェクト
12ヶ国、51の組織
2006年2月ー2010年2月38.0 M
SAFESPOTは車車間通信、路車間通信を用いた衝突回避アシストを実現します

14ヶ国、37の組織
2006年2月ー2010年2月16.8 M
COOPERS (Co-operative Networks for intelligent Road Safety)は”協調交通制御”を目指して、自動車間、路車間の革新的な通信アプリケーションを開発する

10ヶ国、18の組織
2006年11月ー2009年10月
10.5 M
SISTER (Satcoms in Support of Transport on European Roads)はGALILEOによる地上ー衛星の通信を用いた交通システムを研究する

6カ国、7の組織
Feb 2008 - Feb. 2010
3.0 M
GEONET (Geo-addressing and geo-routing for vehicular communications)はIPv6を用いた位置ルーティング/アドレッシングの参照実装を提供する

5カ国、7の組織
2006年1月ー2008年12月
4.5 M
SeVeCom (Secure Vehicular Communication)は自動車通信のセキュリティ要件を定義し、実装を提供する

3カ国、6の組織
Jan 2006 - Dec 2009
1.5 M
COMeSafety (Communications for eSafety)は情報交換と情報表示の両方のためのプラットフォームを提供する

5ヶ国、10の組織
Jan 2006 - Mar 2008
4.1 M
MORYNE (Enhancement of public transport efficiency through the use of mobile sensor networks)は、都市や郊外においてバスやトラムなどの公共交通機関のモバイルセンサ情報を活用する交通制御を目指す
HIGHWAY
3カ国、9の組織
Apr 2004 - Dec 2006
4.8 M
HIGHWAY (breakthrougH Intelligent maps and GeograpHic tools for the context-aWAre deliverY)は統一の手法で、コントロールセンター、自動車、情報インフラを結びつける位置ベース地図と高い安全性を提供する

15ヶ国、60の組織
Feb 2004 - Mar 2008
54.1 M
PReVENT(Preventive and Active Safety Applications)は危険予防アプリケーションと技術を開発し、実証することで道路安全に貢献する

9ヶ国、10の組織
Apr. 2008 - Mar 2010
0.5 M
ARTIC (Antenna research and technology for the intelligent car)は革新的なアンテナ技術を自動車ネットワークに活用することを目指す

5ヶ国、12の組織
Jan 2006 - Dec 2007
5.6 M
COM2REACT (COoperative CoMmunication System TO Realise Enhanced Safety And EffiCiency in European Road Transport)は交通の効率性、安全性を向上し、ヨーロッパの技術標準化と調和に貢献する

4ヶ国、10の組織
Jan 2006 - Mar 2008
3.9 M
ATESST (Advancing traffic efficiency and safety through software technology)は、EAST-ADL2記述言語を用いて、自動車間の協調システムと設計と検証の溝を埋めることを目指す

4ヶ国、10の組織
Jul 2008 - Jun 2010
3.8 M
ATESST2 (Advancing traffic efficiency and safety through software technology phase 2)は、ATESSTのフェーズ2
COVER
5ヶ国、4の組織
Apr 2009 - Mar 2013
0.4 M
COVER (Coordination of vehicle and road safety initiatives)の目的は、調和して一貫した研究方針を開発し、補いあうEUとアメリカの4つのイニシアチブの研究結果を実装することを促進する

4ヶ国、9の組織
Mar 2006 - Feb 2009
4.1 M
COVER ( Semantic-driven cooperative vehicle infrastructure systems for advanced e-safety applications )

7ヶ国、14の組織
Mar 2006 - Aug 2008
3.6 M
FeedMAP (Technical and commercial feasibility assessment of map data feedback loops applied to the ActMAP framework)は、地図の方よりフィードバックの商業的、技術的な実現可能性を検証する

6ヶ国、12の組織
Jan 2006 - Dec 2008
4.9 M
GOOD ROUTE (Dangerous Goods Transportation Routing, Monitoring and Enforcement)は輸送において最も廉価なトラックが引き起こす社会的コストを最小化するために、動的リアルタイム情報を用いて道路監視、経路変更、強化、運転者支援のための協調システムを開発する

4ヶ国、7の組織
Dec 2006 - Dec 2008
3.3 M
ANEMONE ( Advanced next generation Mobile Open Network )は、数億の移動デバイスのためのテストベッドを提供し、将来の革新的な技術を支援します

3ヶ国、4の組織
Jan 2006 - Dec 2007
1 M
REPOSIT (RElative POSitioning for collIsion avoidance sysTem)は、相対GPSと自動車間通信を用いた衝突回避システム(CAS)の新技術を実用可能性を実証する

8ヶ国、18の組織
Feb 2008 - Jul 2011
27.8 M
HAVE-IT (Highly Automated Vehicles for Intelligent Transport)は、高度交通システムのための自動運転の長期的展望の実現をめざす

6ヶ国、12の組織
Jan 2006 - Dec 2008
4.0M
Cybercars-2 (Close Communications for Cooperation between Cybercars)は、都市の道や新しい特殊なインフラの上に人工知能交通システムに基づいた完全自動運転の自動車(Cybercar)を乗せること目指す

4ヶ国、8の組織
Jan 2008 - Dec 2010
3.7 M
eVALUE (Testing and evaluation methods for ICT-based safety systems)の目的は、現状の安全システムの評価のための客観的な手法を定義することです

5ヶ国、9の組織
Jul 2008 - Dec 2010
4.5 M
iTETRIS ( An integrated wireless and traffic platform for real-time road traffic management solutions )は、交通と無線通信のシミュレータを統合する先進的ツールの開発を目指す

9ヶ国、23の組織
Jul 2008 - Jun 20108.5 M
Predrive C2X (evolution of safe and sustainable mobility)は、自動車通信技術ための大規模フィールド・トライアルを準備します
55の組織
Mar 2004 - Mar 2007
22.1 M
GST (Global System for Telematics enabling On-line Safety Services)
22の組織
Jan 2004 - Mar 2007
9.6 M
EASIS ( Electronic architecture and system engineering for integrated safety systems )
7の組織
May 2008 - May 2011
1.6 M
E-FRAME (Extend framework architecture for cooperative systems)

あと、EUプロジェクトではないですが、9つの自動車会社、38の組織のメンバーを持つC2C-CC(Car2Car Communication Consortium)というコンソーシアムも欧州の重要なプロジェクトのうちの一つです。
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Paris, France
最近良く耳にすることのある日本危機として、日本の産業のガラパゴス化ということが挙げられています。世界最先端の技術を持ち、世界で一番進んでいる激戦区である日本で技術が洗練されたにもかかわらず(あるいは洗練されすぎて)、世界の市場で勝てなかった現象です。さらに、世界の主戦場で基幹的な部分をアメリカに押さえられて、低賃金のアジアの国と受注を争いあうという苦しい状況に置かれています。その反面、「すり合わせ」の構造が残る自動車産業では、優位が残っていると言われています。

日本企業はなぜ敗れたのか - 池田信夫 blog
アメリカ企業がソフトウェアやアーキテクチャを支配し、それを低賃金のアジアでハードウェアに実装するという国際分業が成立したのである。日本はこのどちら側にも入れず、かつて世界を制覇した電機産業の優位性は崩れ、NTTファミリーを中心とする通信産業は没落し、自動車のような「すり合わせ」構造の残る製品によりかかって低成長を続けてきた。
つまり、日本は今、優れた技術を持ちながら世界で負けた通信産業と、世界で優位を保っている自動車産業を持っているということです。

通信しない自動車は旧時代の遺物になる時代が来る

まもなく、これらの日本の失敗産業と日本の成功産業の間に新しいビジネスが立ち上がろうとしています。自動車同士が通信を行うことで、交通を安全快適楽しいものにするという試みが始まっています。この分野の研究が、日経ビジネスにも解説が載っていました。

[2]プローブ情報ネットワーク:日経ビジネスオンライン
自動車を“走るセンサー”に見立てて、渋滞状況や天候の変化、危険箇所などの情報を集める仕組み。人工衛星や監視カメラなどを補う情報収集インフラとして注目が集まっている。複数の自動車が協調して「探索する(プローブ)」ことから、プローブ情報ネットワークと呼ぶ。
現在の自動車では、運転手が自分の視覚、聴覚、勘と経験を駆使して得た情報をもとに自動車を動かします。これが将来は自動車に搭載された無数のコンピュータ同士の通信を介して得られる情報を運転の補助情報として使えることになります。例えば、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の動作情報を自動車間で交換しておけば、今から通る道で今日朝からどれぐらいの自動車が滑ったか分かるようになり、先行する自動車のワイパーの動作情報が分かれば、リアルタイム降雨情報が分かるようになります。

互いにつながった自動車が安全快適で、楽しいものになるとしたら、つながってない自動車は危険不便つまらない乗り物と感じられることでしょう。そんなクールじゃない乗り物に乗りたいと思う人はごく少なくなります。自動車ネットワークの普及が始まっていけば、ネットワークにつながらないPCを買う人がいなくなったような現象が、自動車でも起こると考えられます。

自動車産業と通信産業が融合する影響

自動車会社は自動車を売っているように見えますが、実は安全で快適で楽しく移動する手段を提供しているとも言えます。互いに接続した自動車が、より安全で快適で楽しく移動する手段を提供できるとしたら、これは自動車産業に取って大きな変化と言えます。さらに交通が効率化すれば、環境への負担を軽減できる可能性もあります。オバマ大統領が提唱するグリーン・ニューディールの重要な争点になる可能性もあります。

それに加え、自動車がネットワークにつながっていく影響は、ネットワーク側にとっても大きな変化と言えます。自動車は日本に7500万台、世界に9.5億台存在すると言われています(PDF資料、66ページ)。自動車に搭載された無数のコンピュータと搭乗者のもつデバイスがいっせいにネットワークに接続されれば、ネットワーク内の全ノードのかなりのウェイトを自動車内のコンピュータが占める可能性があります。ネットワーク側も変わっていく可能性があると言えます。自動車と通信という共に巨大な産業の境界領域に、ビジネスが誕生する衝撃は計り知れません。

日本にとっては負けられない戦い

このブログでは、「日本はもうダメだ」論については楽観的に書いてきましたが(日本はもうダメだ論と日本の優秀な人材このエントリーを含むはてなブックマーク日本をもっとダメな国だと思い危機感を煽りましょうこのエントリーを含むはてなブックマークもうそろそろ日本はもうダメだと言わなくてもよい このエントリーを含むはてなブックマーク」)、それは日本が今優位な位置にいることを前提としていました。成功している産業である自動車産業で不調が続けば、下請けの関連会社、自動車の電子装備産業、鉄鋼業、輸出のための造船産業と、あらゆる分野で不調が波及していくと思われます。

軍事・文化・金融・言語とあらゆる分野で覇権を確立している米国や、長い努力の上に27ヶ国が協力しあう体制を築いた欧州に比べ、日本は自動車産業という成功産業への依存が高いと言えます。そのため、自動車ネットワークの主導権争いは、特に日本にとっては負けられない戦いだと言えます。次の世界競争においては、通信産業で過去に起こった「ガラパゴス化」などの二の轍を踏むことなく、技術的な強みと自動車産業の強みを活かして優位に競争を進める必要があります。

欧州、米国、日本、三つ巴の戦いがはじまる

昨今の凋落が特に激しいと思われている日本もこの分野では、世界の3極のうちに数えられています。一般的に脅威と恐れられている中国やインドがこの競争に参加してくることはほぼ有り得ません(市場としては有望ですが)。2007年のEUの資料(PPT)では、日本の研究は世界に先駆けて始まっていたことが分かります。

このブログでは今後、戦いのルールや、各勢力の短所長所を分析していこうと思います。
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Deauville, France
怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本」のコメント欄と、「どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記」で怠け者同盟の価値観に対して反対の意見をいただいたので、少し補足していこうと思います。

まず、「怠け者同盟の社会は人類の未来 このエントリーを含むはてなブックマーク」から始まる4つのエントリで抜けていた視点として、自由主義の限界について補足します。抜けていた理由としては、4つのエントリが「働きすぎて日本人の幸福度は低い」という命題への分析を目的としていたからです。自由主義の限界として、競争のエスカレートによって1. 個人の資源(体力、時間)が無駄に消費されるというだけでなく、2.世界全体の資源も無駄に使われるという点があります。

自由主義の限界

例えば、GDPが年率2%拡大していく社会では、GDPは100年で7倍になり、1000年で4億倍になります(404 Blog Not Found:GDPを一日で倍にする方法(の耐えられない軽さ))。 エネルギー資源、人的資源、労働時間を果てしなく投入し続けて経済的繁栄を目指すことが、人々の幸せにつながる時代は終わろうしています。それは、地球の支えられる資源の制約、人の体力の制約、24時間と言う人に与えられた時間の制約などが限界に近づいているからです。だれもが自由に働ける社会では、競争の激化によって社会の資源、個人の資源が際限なくつぎ込まれていきます。

自由至上主義は全員に自由を強要する

生まれた時から自由が尊いものだとされている社会に暮らしていると認識しづらいのですが、「自由」もまた押し付けられた価値観です。同僚がサービス残業・休日出勤を繰り返していれば、同様の成果を上げるために自分もサービス残業・休日出勤を余儀なくされてしまいます。ライバル店がサービス残業・休日出勤を繰り返していれば、自社もサービス残業・休日出勤で対抗しなければ、社員が路頭に迷います。競争は止めどなく激化し、巻き込まれたものは「自由に働くこと」を強制されてしまうのです。同僚、ライバル店のどちらの例でも、対抗しないと重大な損害を被ることが目に見えており、怠ける自由はありません。

自由の理念であれ、怠け者の理念であれ、理念は本質的に価値観の押しつけなのです。押し付けられない理念は主張する価値がありません。逆に言えば、他人に押し付ける正当性がある論理を理念を呼ぶと言っても良いと思います。以下の引用はその視点が抜けているように感じました。
どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記
社会主義やパターナリズムは、いくら「良心」や「善意」に基づいていても、単一の価値観を「強制」するという点が、「社会設計」として基本的に間違ってい ると思う。それは国や社会の経済的な「生き残り戦略」としても失敗するだろうし、規制がどんどん間違った方向に行ったり、悪い人間が権力を得てしまった場 合、最悪の結末にもなりうる

ヨーロッパで評判の悪くなってきた「自由」

フランスでは「自由」、「自由」を連呼すると顔をしかめられてしまうぐらいまで、自由という言葉に対する肯定的な意味合いが薄れています。[書評] 日本とフランス 二つの民主主義にあるように、ヨーロッパでは自由というのが悪い意味を持ち始めています。欧州憲法は左派陣営からの「リベラル」、「ウルトラ・リベラル」という批判を受けて、フランスでは否決されてしまいました。「Constitution européenne(欧州憲法)」で検索すると「La Constitution européenne est-elle libérale ?(欧州憲法はリベラルか?)」という文章に当たります。欧州憲法は本当にリベラルだったのか分析する記事ですが、これでもリベラルは悪い意味として取られています。[書評] 日本とフランス 二つの民主主義では以下の通りに書かれていました。
「ちなみに、ヨーロッパではリベラルという言葉がそれほど肯定的な響きを持っていない。特に左派は、リベラルという語を嫌悪さえしている。, p73」
(アメリカのリベラルは宗教的リベラルのことなので注意が必要です。ヨーロッパではリベラル=自由主義的市場経済=右派、アメリカではリベラル=宗教的自由=左派。)

自由を制限する「フランス人」

自由という概念が飛躍的に進歩したのは、1776年のアメリカ独立宣言と1789年のフランス人権宣言だといわれています。「フランス人」は自由の生みの親と言っても言い過ぎではないぐらいです。その生みの親が自由を制限すると言っているのは、注目しても良い理由だと思います。アメリカは現在も一貫して自由主義論者ですが、フランスは自由主義を修正して来ました。フランスは自由の効用を正確に把握しつつ、その弊害を問題としていると言って良いでしょう。「フランスから見えるアメリカは浅はかな国 このエントリーを含むはてなブックマーク」では、フランスからみると未だに自由主義を後生大事に抱えているアメリカが多少浅はかに見えることも書いてきました。アメリカの後ろで自由主義の踊りを踊っている日本は、それ以上に浅はかに見えるかもしれません。

染み付いた自由幻想を捨てて自由に発想しよう

例えば、今僕は27歳です。運良く寿命を全うできればあと50年この世の楽しみを享受できます。正月に親戚一同が集まり酒を飲みながら語らったり、一年で一番すばらしい季節にのんびりヴァカンスを取る権利が50回ずつある計算になります(ほぼ全てのヨーロッパ人は夏が一番好きです、だからヴァカンスは夏です)。ここで全ての余計な幻想を取り払って幸福とは何かを考えてみます。

多くの人は何の目的で自分がこの世に存在しているのか知りません。ある人は世界の真理を探していますが、見つけるのは不可能です。また、会社の売り上げを伸ばし、社会に貢献して社会をよりよいものに変えていくといった意見もあるでしょうが、文明をどこまで発達させることが目的なのか知りません。自分が死ぬ日に文明を一歩押し上げたことを誇りにして満足して死ねるでしょうか。こう考えていくと、「自分が何のために存在しているかは多分分からないけど、与えられた人生を楽しみたい」といった落としどころが適当に思えてきます。つまり、正月は親戚一同が集まって語らいあい、8月中いっぱいは仕事にも邪魔されずのんびりするという方向です。

ところが、自由に働けるとあれば、同僚が正月とヴァカンスを取らない「自由」を持ちます。出世競争で負けたくなければ、自分も働くしか無いでしょう。また、ライバル店が同僚が正月とヴァカンスを取らない「自由」を持てば、自社の社員が路頭に迷わないためにも、対抗して正月とヴァカンスに働くことになります。つまり全員がエスカレートした競争に巻き込まれていきます。こう考えていくと以下の引用にあるように、誰かの「働く自由」が誰かの「怠ける自由」を犯していることが分かります。
どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記
朝から晩まで1年365日働くのも本人の自由だし、そういう会社を作るのも自由、そういう会社に入るのも自由だと私は考える。逆に、週休6日制の会社が あってもいいし、週に4時間しか働かない人がいてもいい。勤務時間も、給与体系も、評価基準も、会社が自由に決めればいいと思う。雇用契約や市場取引と いったものは、本来は当事者間の合意によるものだから、どこにも「強制」は入り込まない。当事者が自分で納得して選択している限り、何をやろうが「自由」 だと思う。
そして、誰もが何も心配なく休暇を取るためには、自由な競争は制限されるべきだという結論に行き着くのです。

自由至上主義を守るには代案が必要

それでも、あくまで自由至上主義を守りたいならば、対抗する理念を確立するべきでしょう。「自由の制限」が競争のエスカレートによる世界と個人の資源の浪費を抑える解決策として登場した以上、自由を最上のものと置く論理だけでは自由の理念は守れません。つまり、あくまで自由至上主義を守りたいなら、競争のエスカレートによる世界と個人の資源の浪費を抑える解決策の代案を提示しなければなりません。以下のように「自由は尊いので自由の制限に反対する」という論理だけでは、自由至上主義を守るのに全く不十分です。
どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記
どんなに素晴らしい価値観であっても、それを画一的に「強制」することは間違いだと私は考える。何らかの価値観を「強制」するのではなく、本人の「自由」にさせること、これがもっとも重要なことだと私は信じている。「強制」が認められるのは、他者の「自由」を侵すことを禁じる場合だけであり、他者の「自由」を侵さない限り、何をしても「自由」であるべきだと私は考える。

最後に

怠け者同盟の社会は人類の未来 このエントリーを含むはてなブックマーク」から始まる4つのエントリでは、現在のフランスの風潮を分析して、未来の予想をしたものです。新しい概念である「怠け者同盟」をより先進的な社会と描いてますが、これは説明のための方便です。僕が興味があるのは、怠け者の外圧が日本にも押し寄せた時、日本人が彼らの背後にある思想を理解した上で、反発するなり、従うなりするべきだということです。そして、「怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本」で書いたように「植民地主義」、「自由な市場による経済戦争」と仕方なく世界のルールに従ってきた日本ですが、今度の外圧ばかりは日本を益するものだと考えています。
  1. 怠け者同盟の社会のまとめ
  2. 怠け者同盟の社会は人類の未来
  3. 怠け者同盟の社会が働き者の社会に対抗する手段
  4. 怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中のフランス
  5. 怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本
  6. 怠け者同盟の社会の中で輝きを取り戻す日本
  7. 自由のスパイラルから脱出を目指す怠け者同盟(本エントリ)
  8. 労働に対する社会の仕組みを試験に例える
  9. ベーシック・インカムよりも怠け者同盟の社会 このエントリーを含むはてなブックマーク
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